マンションの投込チラシや「求む広告」の内容は信じられる?

みつおパパ
そういえば少し前、郵便ポストに「あなたのマンションを買いたい方がいます!」なんてチラシが入っていました。その時は売却を考えてなかったのでチラシは捨てましたが、もしかしてそっちに頼んでいたら即成約できたんですかね?
岩谷せんせい
いわゆる「投込チラシ」「求むチラシ」は“釣り広告”と言われるものです。恐らくそのチラシの不動産会社に頼んでも、相当な人気物件でない限りすぐに決まるなんてことはありません。
みつおパパ
え?!そうなんですか??でも、なんで仲介会社はそんなことするんですか?虚偽記載とか、そういう違法性はないんでしょうか…。
岩谷せんせい
突き詰めれば違法性はあるでしょう。ただ、小売業界と違って、何千万・何億という金が動く世界で、また何千社と仲介業者がありますから、やれることはなんでもやってきます。どんな手法を取ってでも数ある不動産会社から「選ばれる」ことを目的にしているので、ギリギリのところで勝負してきます。ですからそういったチラシには騙されないようにした方が賢明です。

投込チラシ・求む広告を信じてはいけない

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「あなたのマンションを相場よりも高く買いたいという方がいます!」
「当マンション限定でお探しの方が売主を募集しています!」

こんな広告やチラシがあなたの郵便受けに入っていたことはありませんか?マンションの売却をちょうど考えていたあなたにとっては「これはチャンスだ!」とその不動産会社に連絡し、詳細を確かめたくなりますよね。

でも99.9%、電話口では

「申し訳ありません。その買主様は他で契約されました。」
「他のお客様を紹介させていただきたいので売却のお手伝いをさせていただけませんか?」

と、マンションは売れず、代わりにその仲介会社のお客さんになってしまうだけで終わります。その後スムーズに決まれば問題ないのですが、査定を数社から取ることもせず、仲介業者の選定に時間をかけないのは大きな機会損失になります。むしろそんな詐欺じみたことをしてお客さんを囲い込む仲介業者にお願いしても、良いお客さんを見つけられることは少ないと言えます。

どうして仲介業者はそんなことをするの?違法性はないの?

「◯◯法に違反!」ということは私は法律家ではないので厳密にはわかりませんが、仲介業者全体がかなりすれすれのところで勝負しているのは間違いありません。「ポスト投函禁止」と書いてあってもお構いなしにバンバン投函します。

なぜこんなことをするのかというと、「売れるから」です。いくらインターネットが流通しても、チラシ投函に一定の広告効果があり、意味がある以上やらない理由が仲介業者には無いからです。確かにマンションの売却を考えていない人からしたらゴミ同然のチラシですが、「ちょうどマンションの売却を考えていた」という人にとっては胸に突き刺さるような宣伝文句で書き綴られた内容になっているんです。

過去の顧客リストを使用している

違法性を見いだせない理由としては、何年も前の顧客リストを何度も使いまわしているからです。過去、あなたのマンションの周辺で何らかの物件を購入した買主の事例があれば、それを活用して「買いたい人がいます!(過去形だけど)」と広告が打てるんです。

そこで問い合わせがあれば「もう決まっちゃいました!(5年前に)」という具合でまんまとそこのお客さんにされてしまう仕組みです。

違法性、というよりは倫理・道徳的な問題になってきます。不動産業界に昔から闇の部分が多いイメージを持たれるのはこうしたことも関係しています。

全てがウソの広告というわけではない

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例えば、広尾ガーデンヒルズ、六本木ヒルズレジデンスなどは常に買予約者がいる状況です。ただ、そういったところには警備員さんがいらっしゃいますので、まずチラシ投函すらさせてもらえませんけどね。

最近人気の物件だと、その地方で唯一あるタワーマンション。西東京周辺だと、その市町村で一番高い建物がタワーマンションであることは普通になってきています。例えば、志村けんさんでお馴染みの東村山にあるパークハウスワンズタワーは、竣工されて7年以上経っていますが空きなしで常に売り待ち状態です。

これはほんの一例ですが、こうした「ウソではない広告」がある以上、違法性を問うことができないのでしょう。

投込チラシの内容が気になってしまう

不動産広告は本当に売りたいと思っている人にとって見れば、深層心理を突いた非常に内容の濃い仕上がりになっています。売る気が無いときに見る投込チラシと、売りたいと思ったときに見る投込チラシは、正直見えてくるものがまったく違います。

しかしだからと言って、そのチラシに乗っかってしまうと、不動産業者の選定ができず大きな損失を被るリスクが高くなるのです。

3000万、4000万という不動産の売却額で金銭感覚が麻痺してしまいますが、この世界では100万、200万という値下げ合戦が往々にして行われています。でもリアルな世界で100万、200万なんてお金を稼ぐのにどれくらいの時間がかかるでしょうか。仲介業者はどこも同じ、ではありません。また衝動で動いてしまうと必ず失敗します。

まずは落ち着きましょう。仲介業者はこの世に何千とあります。

魅力的で心奪われるチラシが届いても、まずは落ち着いてください。仲介業者はそのチラシを投函した会社1つではありません。

また、今は不動産の情報は全て仲介業者間で共有しているため、見るべき所はチラシに書かれている数値的な指標ではないのです。「買いたいと言っている方がいます!」と言っても、そのお客さんは、その仲介業者だけのものではなく、業界みんなのお客さんというイメージなので、どこに頼んでもそのお客さんとは会うことはできます(実際に今いるかどうかは別として)。

たった1枚のチラシで、大きな資産を売却しようするのは危険です。例えば数社から査定をもらい、どんな売却活動を行っていくのか見積もりを取得することで、「数値だけではない」その仲介業者の強みから選定するようにしましょう。