マンション管理費がまた値上げ…管理組合・管理会社は何をしてるの?

みつおパパ
どうしたんだいママ?そんな浮かない顔して。
ななみママ
マンションの管理費がまた値上げになったのよ。あまりこういうことを言いたくないけど、ちょっと高すぎる気もするし、管理組合の経営が厳しいのかもしれないわね。
岩谷せんせい
修繕積立金は計画的に値下げ・値上げを繰り返すものですが、管理費は基本的に変わりません。管理費が値上げになったということは、管理組合の経営が厳しくなったことを意味しているはずです。

マンションの管理費を決めるのは居住者

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「管理費が高い」と言うのは自由ですが、この価格を決めているのが実はマンションの居住者であるあなただということはご存知でしょうか。

初期設定としての管理費は売り出したデベロッパーがある程度収支を計算して決定しますが、その後は結成された管理組合が管理費を決定します。だからこのように値上がり・値下がりという事象が起こるのです。

しかし、デベロッパーも馬鹿ではないので(むしろメチャクチャ頭の良い方ばかり)、最初の価格設定はポリシーと根拠を持って設定しています。また管理組合は非営利団体なので管理費や修繕積立金の運営で利益を生み出そうとしているわけではありません。つまり、管理費の値段が変わるということは、何かしらの問題がマンション内で起こっており、管理費の収支シュミレーション通りにいかなくなっていることが考えられるのです。

管理費が値上がりした真意を調べる

管理費の値上げが起こる原因に次のようなことが考えられます。

  1. 管理費を滞納している人がいる
  2. マンションに空室が多い
  3. 駐車場に空きが多い
  4. 突発的なマンション内での出費(天災・事故など)
  5. 大規模修繕工事後

最も多いのが「1」と「2」です。管理費収支は空室がない満室状態を想定して組まれています。エレベーターや電球、コンシェルジュの人件費やその他の共用部にかかる費用は、空室がある状態と満室の状態で変わることはなく、全戸で按分計算しています。つまり、誰か払っていない人がいると、管理組合の収支を圧迫してしまうのです。

また「3」についてもよくある話です。立体機械式駐車場として設計したのに、思いのほか駐車場が埋まらず、その維持管理費が駐車場使用料収入を上回ってしまうことがあります。つまり赤字の状態です。満室状態なのに駐車場が埋まらない状況では今後も黒字化が難しいため、外部の人にも貸したり、平面駐車場として再工事したりします。

管理費を下げることもできる

多くのマンションでは、管理会社がいるはずです。そしてその管理会社がエレベーターの点検や、コンシェルジュの採用・教育などを請け負っているため、実際は管理組合が雇っているわけではありません(マンションによります)。

管理組合が管理会社に「管理委託費」を管理費から支払い、その管理委託費を元に管理会社が工面してマンションの資産価値向上・維持に努めています。管理委託費の内訳は、そうした管理に関する費用と、管理会社の取り分(利益)が含まれているため、管理委託費の値下げを管理会社に依頼することは、間接的に我々管理費の値下げにもつながります。

管理費を下げることのデメリット

私達が負担する管理費を下げ、管理会社への支払いにかかる管理委託費の値下げを要求することは、言い換えれば「自分たちの管理の杜撰さによって生まれた膿を管理会社に吸わせること」を意味します。

色々な本で管理会社の無能さを取り上げ、管理委託費を下げさせるHow To本が出版されているのですが、これは自分たちのマンションとして本当に恥ずかしいことだと思います。

マンションとしての管理が自立しており、それに対する対価として割に合わないから値下げ要求するというなら分かります。しかし、自分たちのマンションの経営が難しくなったので、それを言葉巧みに管理会社のせいにして、ほぼ利益ゼロでマンションのために働かせるというのは、ヤクザの手法と一緒です。

当然管理会社のモチベーションも下がりますし、委託費の値下げ要求はマンションの資産価値を下げる要因になりますのでやめた方がいいでしょう。

管理費の値上がりはマンションが悲鳴を上げているサイン

管理会社としての内情を言うと、経営難で何ヶ月も管理委託費を支払っていないマンションは結構たくさんあります。マンションの管理会社は三井・住友・野村といった財閥系デベロッパーが親会社として支えているので、マンションの委託費収入が入ってこない程度ではまず潰れませんが、それは間接的にマンション自体もそのデベロッパーによって支えられているということになります。

「払わなくても大丈夫なんだ、ラッキー」ということではなく、多くのマンションが経営難で危機的状況にあるということなんです。

そしてそのマンションに共通することは、最初はどこも「管理費の値上げ」を図り、マンション内で自立しようと頑張ったんです。しかしそれがダメで、管理委託費の値下げを管理会社に要求し、結局その管理委託費自体も管理組合として未払いでタダ働きさせている状況になっています。まさに悪循環です。

「管理費が高い!」「また値上がりした!」と感じた時は、そのマンションから逃げる機会でもあります。それを見破るのは、なぜ管理費が値上がりしたのか、一時的なものなのか、このマンションは危険なのか、しっかり自分で判断できるようにしましょう。