共同相続したマンションの空き家・空室対策としてベストな選択は?

みつおパパ
両親が亡くなり、暮らしていたマンションを弟と共同相続することになりました。個人的には早くマンションを売却した方がいいと思うのですが、弟は民泊や賃貸など、空き家としてもっと活用したほうがいいのではないかと提案してくれました。何がベストな対策なんでしょうか?
岩谷せんせい
「空き家」と「共同相続」という難しい2つの問題が重なってしまったため、一概に答えを提示することはできません。売却・賃貸・民泊(Airbnb)、そのどれも選択肢としては正解ですが、何もせずに放置しておくことだけはいけません。今「空き家」の問題は日本における社会問題に発展しているため、どちらにしろ早急な対処が必要になります。

マンションの共同相続における現在の問題点

souzoku

今回のように、兄弟で不動産を共同相続した場合の一番の問題点は、決定スピード・行動力が著しく鈍ることです。

特にマンションというのは、戸建てと比較して固定費として流出するお金(管理費・修繕積立金・駐車場使用料等)が非常に多く、「空き家」の期間が長引けば長引くほど損失に繋がってしまいます。相続を経験された方はもちろん、過去に身内間でそれを目撃した方も、「相続の面倒臭さ」というのはお分かりいただけるのではないでしょうか。

話が前に進まない、共同相続は本当に面倒臭い

ご両親が残したマンションを共同相続したみつおさんと弟さんの例で言うと、みつおさんの要望としては「売却」、弟さんの要望としては「賃貸・民泊利用など」と、要望が異なるケースが出てきます。

権利としては平等に与えられるため、長男であるみつおさんの意見が優先されるということはありません。

マンションだとあまりありませんが、これが戸建てだと「思い出として残しておきたい」と気持ちによる要望を出してくる方も少なくありません。現代における戸建ての空き家問題はこれが一番の理由ともされています。マンションであれば、放置しているだけで金銭の負担を強いられるため、何も対策をしないことはほとんどありませんが、共同相続によると今回のようにその決定が鈍り、時間的な損失が増幅する恐れがあります。

まず兄弟で確認しなければいけないこと

売却するか、資産活用を行っていくか、それぞれの主張もあると思いますが、まず相続人としてやるべきことをまとめておきます。

必要経費の情報管理

相続人間で争っている間にも、そのマンションには知らぬ間にかかっている経費が存在します。まずはその無駄な経費の負担をストップ(又は把握)しましょう。

  1. 管理費・修繕積立金
    マンションは管理費と修繕積立金が必ずかかります。恐らく管理組合から自動で引き落としがかかるようになっているはずなので、その口座の確認と引き落とし日の確認をしましょう。原則的に一度支払いをしてしまうと戻ってくることはないので、真っ先に行って下さい。物件によりますが、2~10万と修繕のタイミングなども重なり大きく開きがあります。
  2. 電気・ガス・水道・インターネット
    そこに住まう予定がなければ解約しましょう。資産活用するにおいても、すぐに決まることはないので無駄な経費は削減しておきたいところです。電気代やインターネット料金に関しては基本料金としての固定費が伴うこともありますので、使っていなくてもお金がかかってしまいます。
  3. 駐車場使用料
    駐車場使用料については「すぐさま解約」というのは少し待った方がいいかもしれません。人気の物件ともなると、駐車場が居住者の中で「抽選」ということもあり、解約すると違う人に貸されてしまうケースもあります。すると、「駐車場の空きがない物件」として売却額が下がってしまうことがあるのです。ただ、駐車場の稼働率については物件ごとに異なるため(稼働率が悪すぎて管理組合の会計を圧迫している赤字物件もある)、管理組合や管理会社にその稼働率を確認してみるといいでしょう。

管理会社への連絡

マンションを共同相続した場合、管理組合よりも先に管理会社に連絡したほうがいいです(管理会社をもたず管理組合が独立している場合は管理組合へ連絡)。「管理組合」といっても、結局は居住者さんが順番で務めているものなので、とっさの対応力や柔軟性はほとんどありません。長年理事を務めているという方でないかぎり知識はゼロに等しいため、管理組合に連絡しても管理会社(担当フロント)に横流しするだけです。先回りして管理会社へ連絡した方が確実です。

管理組合の会計も管理会社が代行して管理しているため、管理費・修繕積立金の引き落としを止めてくれたり、対応が良い管理会社であれば今後のことについてもサポートしてくれるはずです。管理会社は基本的に「NO」と言わないため、疑問点はここで聞いてしまったほうが楽かもしれません。

売却?資産活用?どちらが得?

売却するか、資産として活用していくか、これは物件の立地や状況において異なるため一概には言えませんが、共同相続においては売却してしまった方が圧倒的に楽です。時間的な問題や、相続問題の疲れ・ストレスから開放されたい、相続においてはこう感じる人の方が多いのではないのでしょうか。

共同相続したマンションを資産として活用していく場合、その管理方法や収益の分配など、今後一生つきまとってくる問題になるため、精神的な負担は兄弟間で大きくなります。また、その資産活用がうまくいかなかった場合、兄弟関係が余計に悪化してしまうことも考えられます。売却して、残るものがお金だけになれば仲良く分配し綺麗になります。

確かに都市部のマンションであり、マンションとしての価値も残っていれば、資産活用も十分可能ですが、これを選択する場合は一度不動産会社と一緒に相談した方がいいでしょう。想像しているよりもマンションの大家業務は単純ではありません。それが共同相続であれば、管理はむしろ行き届きづらくなり、資産価値を落としかねません。

共同相続は単純な経済的事情だけでなく、こうした精神的な問題も絡んでくるため、何に重きを置くかで選択は左右されるでしょう。