買い換え特例でマンションを売却すると譲渡損失が出ても得するケースがある

みつおパパ
マンションの査定額が思いのほか安くてびっくりしたよ…。まさか購入時より2000万も値が落ちてるなんてね。
ななみママ
に、2000万?!それって査定ミスなんじゃないの?そんな価格で売ってもほとんど意味ないじゃない。
岩谷せんせい
売却査定額が安かったからと言ってその価格で売れていくと決まったわけではありませんが、2016年12月までに「買い換え特例」を適用してマンションを売却すれば、2000万という損失をもしかしたらメリットに変えられるかもしれませんよ。

マイホームを買い換えて譲渡損失が生じたときの特例

売却価格が購入時の価格より安いとき「特定居住用財産の買い換え特例」を利用してマンションを買い換えた場合、所得税と住民税が最長4年間にわたりゼロになることがあります。

マイホーム(居宅)を平成27年12月31日までに売却して、新たにマイホームを購入した場合に、旧居宅の譲渡による損失(譲渡損失)が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。さらに、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができます。

国税庁

この特例のポイントは、

  • 平成27年(2016年)12月31日までに売却すること
  • 平成28年(2017年)12月31日までに新居のマイホームに住むこと
  • 損失が出ても給与所得と相殺できるため所得税がかからない

2016年末までに売却、その翌年末までに買い換えを成立させることを条件に、その結果「譲渡損失」が出れば、収入と相殺させ所得税・住民税がかからないようになるというのが、この特例です。

分かりやすく事例形式で制度の仕組みを見てみましょう。

みつおさん一家の例
2016年10月1日にみつおさんは所有しているマンションを売却し、新たに新居を購入した。

・みつおさんの給与所得:600万
・マンションの購入価格:4000万
・マンションの売却価格:2000万(=売却損2000万)

給与所得 譲渡損失 繰越額 課税額
2016年 600万 2000万 1400万 0
2017年 600万 1400万 800万 0
2018年 600万 800万 200万 0
2019年 600万 200万 0 400万

簡易的に表に表していますが、イメージとしてお持ちください。細かい計算は税理士などにお願いしてください。年収600万程度ですと、年間50万弱が税金で引かれていますので、このケースだと3年間その支払をしなくて済む計算になります。

売却損2000万という方がもちろん大きいのですが、その損失を埋められる策もなく、致し方ない形で売却を決断された方は、この特例の適用で多少は恩恵を受けられることになります。

マンション買い換え特例を受けるための必須条件

shotokuzei

全てのマンションで買い換え特例が受けられるわけではありませんので、その条件を頭に入れておいてください。

  1. 売却するマンションの所有期間が5年を超えている
  2. 平成27年12月31日までにマンションを売却すること
  3. 買い換える新居は2017年12月31日までに取得し居住すること
  4. 買い換え先の登記簿上の床面積が50㎡以上であること
  5. 買い替えに際し、返済期間10年以上の住宅ローンを利用していること
  6. 合計所得金額が3000万円以下であること
  7. 売却する年の前年、又は前々年に譲渡所得の3000万円特別控除の適用を受けていないこと

以上になります。特に重要なのは「買い換え」が前提であることと、その期日です。この特例の期間は今現在2016年12月31日までとされていますが、延長される可能性もあります。しかしもし、「高く売れないことが分かっている」「早く手放さなければいけない事情がある」という方で損失が出てしまう場合は、活用したい特例になります。