賃貸中のマンションで売却査定を行うと間違いなくトラブルが起こる

みつおパパ
賃貸中のマンションを売却に出すのって、そこに住んでる借り主さんからしたらびっくりするよね。簡単に言えば契約破棄だし「どうしてこの家出なきゃいけないの??」って思うのが普通だろうな。
ななみママ
「どいて」って言っても、契約に則ってしかもお金払って住んでるわけだしね。賃貸中マンションの売却にはトラブルが多そうね。
岩谷せんせい
賃貸中のマンションであっても売却できるのですが、私が担当した中でも、6~7割は何かしらのトラブルが起こっています。できるだけ穏便に済ませたいところもありますが、中々うまくいかないのが現状です。

賃貸中マンションを穏便に売却する方法

賃貸中のマンションを売却することは可能です。しかし、賃借人との売却形態によってその対応が異なり、場合によっては多額の支払いを要することもあるため注意が必要です。

投資用物件の売却

投資用物件の売却に賃借人は絡んできません。賃借人はそのままで、オーナーだけが変わる(オーナーチェンジ)ため、普通に売却手続きができます。このパターンであれば一番楽です。

賃貸契約中のマンションの売却

taikyo

これはつまり「どけ」と言って強制的に退去してもらうことを言います。裁判沙汰になる事例も少なくありませんし、こちらの主張を受け入れてもらうのはとても大変です。

  • 引越し費用
  • 違約金
  • その他手間賃

個人で行えばこうした費用を請求されることはやむを得ませんが、大手の仲介業者に査定と同時に立ち退きに関する交渉を依頼すれば、その手続きも代行してくれます。ただ、自分の身に置き換えてみれば分かることですが、立ち退きを穏便に済ませることはたとえ業者であっても簡単なことではありません。その代行手数料分も売却価額から差し引かれるため手元に残る金額は相場よりもかなり低くなります。

しかし、個人で行うと感情が先行して肝心の売却手続きが難航してしまうため、必ず仲介業者に依頼するようにしてください。

賃貸契約終了後のマンションの売却

契約が終了した賃貸マンションならすぐに売却できると思っている方が非常に多いと思いますが、実は賃貸契約には「一般借家契約」と「定期借家契約」の2種類があり、一般借家契約の場合往々にしてトラブルが起こります。

一般借家契約で起こり得るトラブル

一般借家契約で退去してもらうには、

  • 借主に対して、期間満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知をしなければならない。
  • 貸主からの解約の申入れは(中略)正当の事由があると認められる場合でなければすることができない。

借地借家法26条1項、28条

この2つの条件が必要になります。つまり、「売りたい!」と思った時から実際に売りに出すためには最低6ヶ月以上必要になり、またそれを行って貸主に交渉をしても「売却」というこちらの一方的な理由が、借地借家法上の「正当な事由」に該当しないという前例があるため、手続きが非常に困難です。

現実的には前項で解説した「賃貸契約中のマンションの売却」方法と同じ手段を取ることとなり、あなたが多額の出費を伴います。どちらにしろ仲介業者に査定を依頼する際は「一般借家契約」であることを伝えておくことが重要です。自分で借り主と交渉するのはトラブルのもととなりますので必ず仲介業者に伝えて下さい。

定期借家契約の場合

定期借家契約とは、最初から期間の定めのある契約なので、契約が終了すれば借り主は退去しなければいけません。ただその分、賃料などが相場より低くなるため借り主のニーズはあります。それでも定期借家契約で家を借りる方が少ないのでトラブル自体の事例が少ないということもあります。トラブルを未然に防ぐためにも仲介業者を立てた上で手続きを踏んでいくようにしましょう。

賃貸中のマンションの査定まとめ

賃貸中のマンション売却の早見表をまとめておきます。

トラブル 査定方法 売却費用 仲介業者の代行
投資用 収益還元法 かからない
賃貸契約中 特多 取引事例比較法 かかる
賃貸契約終了(一般) 取引事例比較法 かかる
賃貸契約終了(定期) 取引事例比較法 かからない

ポイントは「自分で解決しない」ことです。賃貸中マンションの売却は半分以上の確率でトラブルが起こりますので必ず仲介業者に相談し、その交渉の代行を依頼して下さい。

逆に言うと、そうしたことを見越してマンションを資産化・賃貸に出さなければいけなかったのです。これをマンションの売却損と捉えるか、賃貸業務における諸費用と捉えるかは個人次第ですが、賃貸中であるにも関わらず売却を決意されたということは資産化に難があったということなのでしょう。貸せば貸すほど損をしている、貸主がボランティアのように消耗をしているというマンションは実はたくさんあります。

今は空き家が日本における社会問題に発展し、選挙などでも空き家問題を政策として挙げる方も多いです。その空き家の60%がマンションという実態も指摘されており、今後「売りたい」と思っても売れなくなる時代がやってきます。そうなる前にマンションを上手に手放し、精神的負担を少しでも取り除くのが今の時代においては賢い選択です。